次世代のインフルエンサーを
目指して、日本人唯一のバジャウ族、
松田大夢のリアル。
INTRODUCTION
セブ島・バジャウの地で現地民さながらの生活を送り現在では多くのTVやメディアに取り上げられるまでになった松田大夢。今回、バジャウ族との出会いからそこに住み続ける理由についてお話を伺いました!
松田 大夢 バジャウ族
1995年生まれ新潟県出身。
フィリピン・セブ島のバジャウ族とともに生きる、日本人唯一のバジャウ族。バジャウ族の認知度向上や雇用創出を目的として、クラウドファンディングで集めた資金を基にゲストハウスを建設し情報発信やツアー企画をなど様々な活動に取り組んでいる。Youtube登録者数は7万人を超え、若者を中心に絶大な人気を誇る。出演番組(世界ナゼそこに日本人、グッと地球便、kmjs、サイテー男総選挙)
ホームレス生活を経て、バジャウの地に辿り着くまで。
CEBUYOLO編集部:今日はよろしくお願いします。まず興味があるのが、そもそもなぜバジャウに住もうと思ったんですか?
松田 大夢:正直、流れに身を任せてたらこうなったんですよね。地元の新潟佐渡の高校を卒業三日前ぐらいに中退して、全財産4000円ぐらい持って初めて東京に出たんですよ。なんとなく東京に行けば何か面白い事があるんじゃないかと思って。そして、最初はお金もないし友達もいないし知り合いもいなかったんで、公園で寝たりとかホームレス生活をしたりしてみて。時にはダンボールで家を作って秋葉原で寝たりとか。
CEBUYOLO編集部:いきなりホームレス!?今までそんな経験はあったの?
松田 大夢:さすがに佐渡にいるときはホームレス生活はしてなかったですけど(笑)。まぁ少なからず不安はあったけど、そういう経験をどんどんして、敢えて何もない、それ以下がないという生活をしてみたかったんです。後々自分に何かあって、もし無一文になったとしても恐くないし強くなれるだろうと思って。そんな生活の中で、派遣のバイトをして色んな人達に会ってる時に、たまたまセブでNPO法人セブンスピリット(セブ島の貧困層の子ども達に音楽とスポーツを通した教育活動をしている特定非営利活動法人)を運営してる田中さんという方と出会って。その頃の自分はフラフラしてて何がしたいとか特に明確なものがなかったんで、田中さんの話を聞いてる内にセブ島が面白そうだから僕もセブに行かせてくださいとお願いしたんです。そして田中さんについてきたのが初めてセブ島に来たきっかけです。
CEBUYOLO編集部:ということはセブンスピリットで働いてたんですか?
松田 大夢:最初はお手伝いとかしてたんですけど、その途中で物乞いしてる子ども達と仲良くなって、そういう子ども達ってどんな生活環境にいるんだろうと興味が湧いてついていったらバジャウ族の集落に辿り着きました。その後もなんか面白いな~と思ってバジャウに通ってて、バジャウの友達と一緒に海に出たりして。その頃、日本人のシェアハウスに住んでたんですけど、家賃が高くて全然つまんなくて。シェアハウスを出て結局またセブでホームレスになったんですけど(笑)。ある時、道に溜まって酒飲んでるフィリピン人に韓国語で話しかけられて。「違うよ、日本人だよ」って会話から、気づいたら仲良くなって家に泊めさせてもらったりして。気づいたらその地域に友達が増えて、フィリピン人の家を転々としてたんですよ。そんなセブでのホームレス生活をSNSで発信してたら、それを見て会いたいって言ってくれる人も増えてきて。会いたいと言われてもホームレスだから迎え入れる場所がなくて(笑)。そこで「よし!じゃあバジャウに家を建てよう!」と決めて、通ってるうちにバジャウの村長とも仲良くなってたし許可をもらって。そして一人暮らしを始めたのがここに住み始めたきっかけですね。
バジャウ族の女性と結婚。周りの後押しと自分の直感が決め手だった。
CEBUYOLO編集部:へー!バジャウ族はすんなり受け入れてくれた?
松田 大夢:今まで外国人がバジャウに住んだって例がなかったんで、村長に特別に許可をもらったって感じですね。人生初の一人暮らしデビューがバジャウに家を建てて住むっていう(笑)。
CEBUYOLO編集部:奥さん(バジャウ族のシャイマさん)とはここで出会ったんですか?
松田 大夢:バジャウ族の結婚式っていうのがあって、村長の家の前の広場でやるんです。バジャウの男達が歌を歌ってキーボードを弾いて、それに合わせて女の人がバジャウのダンスを踊るっていう式が三日間ぐらい続くんですけど、それって近所の人とか誰でも参加できるんですよ。そこでダンスを踊ってたのが今の嫁です。初めて見た時に友達に「あの娘カワイイね」って言ったら、バジャウ中にヒロがシャイマのこと好きだって勝手にどんどん噂が広がって(笑)。近所のお節介なオバサンがシャイマの家まで行って「ヒロが会いたがってるよ」みたいなことを家族に伝えたりしてて。気づいたら向こうも受け入れ態勢できてるみたいになって。結局僕も行かざるをえないみたいになったのが出会ったきっかけ(笑)。
CEBUYOLO編集部:それはすごいですね(笑)。ってことは、バジャウでは付き合う=結婚ってことですか?
松田 大夢:いや、全然そんなことないです。こっちの人も普通に付き合って恋愛して結婚って感じですね。ただ、僕の場合は出会って1ヶ月ぐらいで今までなかった”結婚したい”って気持ちに急になって。そのふと思ったタイミングが、きっと結婚するタイミングなんだろうなと思ってそれで結婚しました。
一緒に楽しく生きる。シンプルにみんなハッピーになってほしい。
CEBUYOLO編集部:過去に日本のTV番組に取り上げられた時に、その放送後にTwitterで「勘違いするな。俺はクズだし、そんな美談はない」ってツイートしてたのが印象的でした。あれが本心ですか?
松田 大夢:なんかTVだとすごい持ち上げられてるんですよ。バジャウ族がすごい貧しくて、その貧しい人たちを俺が救う為に住んで活動してて、みんなに慕われてる日本人の好青年みたいな。最初は実際、経済的に貧しいこととか偏見もあったし、貧しい人たちを助けてあげたいみたいな気持ちもあったんですけど、今となっちゃ経済状況とかそんなに関係なくバジャウのみんなはすごい幸せそうに生きてるし。自分が上から目線で何かしてあげたいとかそういうことじゃなくて、同じ場所に住む仲間として友人として一緒に楽しくバジャウツアーやったり、それが結果的にお互いによく働けばいいかなと思ってますね。何かしてあげるというより、一緒に楽しく生きてるだけなんですよね。
CEBUYOLO編集部:本当はシンプルな事だけど、どうしてもTV的には美談にしてしまいがちですよね。
松田 大夢:日本って、こうあるべきっていう固定観念みたいなのがすごく強いし、そういう日本の社会で生き辛さを感じてる人たちも多いと思うんです。でも、ここに来たらみんな好きな時間に寝て、好きな時間に起きて、好きな時間に食べて、働けとかいう人もいないし。そういう生き辛さを感じてる人たちの居場所というか秘密基地みたいになればいいかなと思ってます。
CEBUYOLO編集部:若者の間で、大夢君が自由の象徴のようなカリスマ的な立ち位置になってますけど、自分的にはどう思ってます?
松田 大夢:自分は就職経験もないし、自分のやりたいことをやって、面白いと思うものを追いかけ続けたらこういう生活が待ってて。そういう生き方があるってこともみんなに知ってもらいたいし、そういう部分で自分がインフルエンサーみたいになって影響を与えられるのは、自分にとっても良い事だなと思っています。それがきっかけで、みんなのやりたいこと、本当に自分のやりたいことを追いかける人たちが増えたらいいなとは思ってますね。まぁでも、シンプルにみんなにハッピーになってもらいたいんですよね。
CEBUYOLO編集部:やっぱ大事なのはハッピーライフだよね(無理矢理)?
松田 大夢:そうですね、ハッピーライフですね(笑)。
CEBUYOLO編集部:今回初めてバジャウに来たけど、暮らしぶりを見ててもシンプルですもんね。
松田 大夢:そうですね。何もしないっていうのがバジャウで過ごす正しいスタイルなんです。
CEBUYOLO編集部:分かりやすく言うとキャンプの延長線上のような、、、想像以上にゲストハウスに来るまでの道のりは険しかったですけど(笑)。でも意外と涼しくて蚊とかいませんね。
松田 大夢:僕はあんまり刺されるタイプじゃないんでわからないですけど、虫もそんなにいないかもしれませんね。ネズミとヤモリとゴキブリぐらいかな。ここに来ているみんなとは、一緒に水を汲んできたり、近くのスーパーや海に行ってみんなで食材調達したり。バジャウの中にデイケアセンターといって日本でいう学童みたいな感じの場所があるんですけど、月曜から金曜日まで毎朝炊き出しをやっているんです。それでみんなで一緒に料理作ったりしてますね。
色んな学びや影響を与えてくれる、みんなの心に残る場所、それがバジャウ。
CEBUYOLO編集部:へー(驚)!毎日はすごいですね。バジャウ族も大夢君が来た事で活性化してますね。
松田 大夢:僕もそうですが嫁のシャイマも最近ユーチューバーとして動画撮ったり、編集したりしてるし、ゲストハウスを経営してるのでオーナーとゲストの関係だけど、ここに来たらみんな家族みたいな感じなんですよね。ゆる~い感じでやってます。
CEBUYOLO編集部:SNSや動画も観れたら日本にいる両親も安心するんじゃないですか?
松田 大夢:そうですね。あまり両親とは連絡は取らないんですけど、みんな意外とSNSとか見てるんですよ。日本に帰ってもなかなか新潟に戻れてないんで。SNSで日本に帰る日程伝えたら、だいたい依頼とか入ってくるんでそれで東京や大阪、あちこち転々としてますね。
CEBUYOLO編集部:大夢くん的には今のセブ人気はどう思ってる?
松田 大夢:自分がセブに来た時もたくさん語学学校あったけど、さらに増えていってる気がしますね。あとは起業家だったり、フリーランスの仕事でセブに移住したり、どんどん日本人は増えてる気がします。やっぱり日本から近いし航空券も安いんでフラっと来れる場所なんでセブ島人気は右肩上がりですよね。
CEBUYOLO編集部:どんどん開発も進んでるけど、この先バジャウ族の場所も変わるんですかね?
松田 大夢:可能性は0じゃないとは思いますね。一応、村長や政府の人や市長、警察の人だったりミーティングはしてるみたいですけどね。この先開発が進むにつれて、どんどん変わっていくと思います。
CEBUYOLO編集部:では大夢君のセブ島オススメスポットは??
松田 大夢:オススメはやっぱここ(バジャウ族)ですね。セブ島の色んな場所に観光に行っても、やっぱ色んな意味で一番印象深いと言ってくれる人もいますし、大学生の人も大学の教授と一緒に団体で海外研修に来たりして。バジャウが一番心に残ったと言ってました。セブに長く住んでる人も、バジャウに来ると良い経験が出来たと喜んでくれるし、色んな学びや影響を与えてくれるのがバジャウですね。
CEBUYOLO編集部:TV番組の撮影でもスタッフさんに驚かれるとか?
松田 大夢:TV番組のディレクターの人も、今までいろんな国のいろんな場所に行ったけどバジャウが一番ガチだったとは言ってましたね。世界中を旅している千原せいじさんでもバジャウにはビビって撮影せずに帰っていきました(笑)。
CEBUYOLO編集部:それはスゴイですね(笑)。今日はありがとうございました!
松田 大夢:はい、みんなでセブを盛り上げていきましょう!